相続・資産承継コラム

ピザとおでんで考える相続財産!分けやすい財産と分けにくい財産の違い

2024年12月07日 15:02

相続財産の分割を考えるとき、相続人間のトラブルが生じるかどうかは「財産が分けやすいか、分けにくいか」が大きなポイントになります。そこで、財産の性質を身近な料理に例えて、わかりやすく解説します!


ピザのように分けやすい財産と、おでんのように分けにくい財産を例に、どのような問題が起きるのか、そしてどう解決すれば良いのかを見ていきましょう。



1. ピザ型財産:分けやすい財産とは?


現金や預金のように、数値として明確で簡単に分けられるものが「ピザ型財産」です。ピザを均等に切り分けるように、相続人ごとに平等な配分が可能です。


例:現金の相続


相続人が3人の場合:財産3,000万円 → 1人あたり1,000万円ずつ分割。


しかし、ピザ型財産でもトラブルが起きることがあります。


たとえば、ピザの具が豪華な部分(高利回りの投資信託や手続きが複雑な口座)を誰が受け取るかで不満が出る。

「なぜ兄の分の財産だけ具材が豪華なの?」といった感情的な問題に発展することも。

• そういった相続人がいる場合は出来るだけ分けやすい資産(現金)にしておく方が良いでしょう。



2. おでん型財産:分けにくい財産とは?


不動産や骨董品のように、物理的に分割が難しいものが「おでん型財産」です。おでんにはいろいろな具材がありますが、大根や卵、餅巾着など、それぞれ好みや価値が異なります。

例:不動産の相続


家や土地は1つしかないため、均等に分割することが難しい。

相続人が3人の場合

長男が家を相続。

次男と三男には、家の価値に見合う現金を用意する必要があるが、現金が不足するとトラブルに発展。



3. トラブルが起きる原因


ピザ型財産でのトラブル

具材の違い:現金は等分できても、金利や手続きの手間に差が出ることで不満が生じる。


おでん型財産でのトラブル

誰が何を受け取るか:不動産を誰が相続するかで揉める。

共有状態の問題:家を複数の相続人で共有すると、管理や売却の意思決定で対立が起きやすい。



4. トラブルを防ぐための対策


(1) 遺言書の作成

ピザ型財産でもおでん型財産でも、誰が何を受け取るかを明確にすることが重要。

遺言書で分割方法を具体的に示すことで、不満を未然に防ぐ。


(2) 代償分割の活用

おでん型財産を特定の相続人が受け取る場合、他の相続人には現金や他の財産で補填する。

例:長男が家を相続 → 次男と三男に生命保険金を割り当てて調整。


(3) 財産の整理と生前贈与

財産を現金化しておくと、ピザ型財産として分けやすくなる。

生前贈与で少しずつ財産を分けることで、相続時のトラブルを減らす。



5. まとめ


相続財産は、分けやすいピザ型財産であっても、具材の差によってトラブルが起こり得ます。一方、分けにくいおでん型財産では、分割そのものが難しく、感情的な争いに発展しやすい特徴があります。


これらの問題を防ぐには、事前に財産の特性を理解し、適切な対策を取ることが不可欠です。遺言書の作成や代償分割、生前贈与を活用し、家族全員が納得できる相続計画を立てましょう。


「ピザとおでんで考える相続財産」という視点で、少しでもわかりやすく、納得のいく相続が進むことを願っています!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

相続・不動産の相談窓口 合同会社エボルバ沖縄 棚原 良太