相続登記をまだ済ませていない方へ。相続登記の基本
2024年11月11日 14:15
相続登記は、亡くなった方の不動産の名義を相続人に変更する重要な手続きです。しかし、相続登記を行わないまま放置している方も多く見られます。手続きの遅れは、将来的に相続人やその家族へ様々なリスクをもたらす可能性があるため、早めに手続きを進めることが大切です。
相続登記を放置するリスク
1. 共有者の増加と相続人間の関係悪化
• 相続登記をしないまま放置しておくと、次の相続が発生した場合に相続人が増えてしまいます。これにより、登記名義人が複数人にわたる「共有状態」となり、意思決定が難しくなるだけでなく、トラブルや関係悪化の原因にもなり得ます。
2. 売却や担保に入れられない
• 名義変更が行われていない不動産は、売却や担保としての利用ができません。緊急の資金調達や処分が必要になった場合に対応できず、不便や損失につながる可能性があります。
3. 相続登記の義務化により罰則が科される可能性
• 2024年4月から、相続登記が義務化され、正当な理由なく登記を怠ると10万円以下の過料が科されることになりました。この義務化により、今後は登記を放置するリスクがさらに大きくなります。
4. 費用や手間が増加する可能性
• 登記を放置する期間が長くなるほど、手続きが複雑化し、必要な書類も増えます。さらには、専門家へ依頼する場合の費用も多くかかるため、早めの手続きが経済的にも有利です。
相続登記を行うメリット
• トラブル防止:相続人間での権利関係が明確になるため、争いが避けやすくなります。
• 資産の有効活用:売却や担保にする際にスムーズに進められ、柔軟な資産管理が可能です。
• 法的義務の遵守:登記を適時に行うことで、今後の義務化対応もクリアできます。
【実際にかかる費用は?】
相続登記費用は、相続人の数・登記する不動産の数や不動産の資産価値などで異なりますが、実家の土地建物のみ等、一般的な相続登記の場合は概ね20万円前後になるケースが多いです。下記はかかる費用の詳細になります。
1. 登録免許税
• 相続登記の際に必ずかかる費用で、不動産の価値に基づいて計算されます。
• 計算方法:不動産の固定資産税評価額 × 0.4%
• 例:固定資産税評価額が2,000万円の不動産の場合、登録免許税は「2,000万円 × 0.4% = 8万円」となります。
2. 司法書士の報酬
• 相続登記を司法書士に依頼する場合、手続きを進めるための報酬がかかります。費用は依頼する事務所や地域によって異なりますが、一般的には5万円~15万円程度が相場です。
• 複雑な相続や相続人の数が多い場合、報酬が増加することもあります。報酬の範囲や内容は、依頼する際に見積もりをもらい、確認しておくと安心です。
3. 戸籍謄本などの取得費用
• 相続登記の際には、被相続人と相続人の戸籍謄本や住民票、除票などが必要です。これらの証明書の取得には1通あたり数百円〜750円程度の費用がかかります。
• 相続人が多い場合や、被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍を全て取り寄せる必要がある場合は、この費用が増加することがあります。
4. 不動産評価証明書の発行手数料
• 登録免許税の計算に必要な不動産評価証明書(固定資産税評価額証明書)を市町村役場などで取得する必要があります。取得費用は地域によって異なりますが、1通あたり200円〜400円程度です。
5. その他の諸費用
• 必要に応じて、印鑑証明書や登記完了後の謄本発行などの手数料が発生する場合があります。これらも1通あたり数百円程度で、大きな負担にはなりませんが、複数の証明書が必要な場合は合計で数千円になることがあります。
【相続登記の流れ】
1. 相続登記に必要な戸籍等の書類をお集めいただきます
↓
2. 誰がどの遺産を相続するかお決めいただきます
↓
3. 司法書士にて遺産分割協議書および捺印書類の作成に入ります
~お集めいただいた書類、お決めいただいた遺産分割内容をもとに書類を作成します
↓
4. 上記書類に署名押印いただきます
↓
5. 相続登記申請
【相続登記の必要書類】
*被相続人(お亡くなりになった方)
□出生から死亡まで記載が有る戸籍(全ての戸籍)
□戸籍の附票および改正原戸籍の附票(全ての戸籍の附票)
*相続人(遺産分割協議に参加する当事者)
□戸籍謄本(現在戸籍・抄本可)
□印鑑証明書
□住民票
・不動産を取得する相続人は住民票が必要になります。
*共通
□本人確認書類の写し(相続人全員:運転免許証等)
□固定資産評価証明書
□実印(相続人全員)
~遺産分割協議書に実印にて押印します
相続登記を済ませることで得られる安心!
相続登記を行うことで、相続人間の権利や負担が明確になり、将来のトラブルを未然に防ぐことが可能です。また、所有権がはっきりと明記されることで、相続人が財産を適切に活用・管理できる体制が整い、安心して資産を引き継ぐことができます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
相続・不動産の相談窓口 合同会社エボルバ沖縄 棚原 良太